何か発見したかもしれない話

このブログ、前回の更新が2年前!?
死んだブログが蘇るところを見せてやるよ!
北方は置いてきた。やつはこの戦いについてこれそうにない(数学嫌いなので、少なくとも今のところ)。



最近、数学にはまっている。理由はいろいろあるがその一つはこの数学ブログ


www.ajimatics.com


数学の知識がなくとも親しみやすい話題から始めて、最初は予想すらしていない世界を見せてくれるその手法は天才的だと思う。

その記事をすこってたら自分的に面白い発見があったので見てほしい。
とはいえ証明が苦手なので、証明が必要な箇所はかなり適当かもしれないので、かしこい人はコメントで訂正等送って頂けると有難い。

テーマはこの記事

www.ajimatics.com


最後に出てくる
・ほかの図形をらせん状に並べて数列を取り出すことはできないのかな?
について考えてみた。

ステップ1 正三角形によるらせん状敷き詰めをよく見てみる

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こうして見ると、最初の4つの三角形はイレギュラーで後はずっと五角形に正三角形を付け足しているように見える。

なら最初の4つの三角形を五角形として見ると、一般化できそう。


ステップ2 一般化できる?

最初の五角形を他の多角形に変えたとき、らせん状に敷き詰められる条件を考える。(パドヴァン数列から作られるらせん形をn=5と考える)

現れる五角形は4つが120°で1つが60°。新しい三角形を付け足しても変わらないので、他のnでも同じように考えて、変数を次のように設定する。

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次のような式が立てられそう。

中心の多角形の内角の和を考えて
 {(n-2)π = a(n-1)+b }

二つの角を合わせると直線ができるので
 {a + d = π }

b と c を合わせるとまた a になるので
 {a = b + c}


n以外の4つの変数を一意に定めたい。
そのためには4つの式が必要(なんでだっけ?)

アプローチ1 値を固定する

最初に思いつくのはa, b, c, dに適当な数を代入したらどうなるのかという実験。
一つの値を定めると、他の三つも決まる。
いろいろ試してみた結果、nの値によって各変数の値域が存在するらしいことがわかった。
{2 <  n}

{\frac {n-2}{n}π < a < \frac {n-2}{n-1}π}

{0 < b < \frac {n-2}{n}π}

{0 < c < \frac {n-2}{n-1}π}

{\frac {π}{n-1} < d < \frac {2π}{n}}

なぜかはよくわからない。

nを無限に大きくしていくと、
{a ≒ π}
{0 < b < π}
{0 < c < π}
{d ≒ 0}

なんかそれっぽいとしか言えない。

アプローチ2 等式をつくる

式が足りないなら増やせばいいの発想で、適当な等式を立ててみる。
4つの変数どうしを=で結ぶ。
試してみると式が成立する等式としない等式があることがわかる。
表にまとめるとこんな感じ(重複するものは / にしてある)

a b c d
a / × × ×
b / /
c / / /
d / / / /


成立するのは3パターン。
残った変数は全てnで表すことができて、なぜかnが成り立つ範囲が違う。
それぞれ検証してみる。
最初に式、次に成り立つ最小のnのときの形、
nを増やすとどんな形になるのか、の順に書いていく。

b=c のとき

{a = \frac{2n-4}{2n-1}π }

{b = \frac{n-2}{2n-1}π }

{d = \frac{3π}{2n-1} }

式からn>2
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nを増やしていくと
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なんか対数螺旋のようなものがでてきた。
aは180°に、bは90°に収束するっぽい。


c=d のとき

{a = \frac{n-1}{n+1}π }

{b = \frac{n-3}{n+1}π }

{c = \frac{2π}{n+1} }

式からn>3
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nを増やしていくと
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ねじり鉢巻みたいな形ができた。もしくはクリスマスの飾り。
a、bともに180度に収束していくっぽい。

b=d のとき

{a = \frac{n-3}{n-2}π }

{b = \frac{π}{n-1}}

{c = \frac{n-4}{n-2} π}

式からn>4
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パドヴァン数列からでてきたやつ。
上の二つもn=5のときはこれになる。
正三角形だから b=c=d で
当然といえば当然なのだが、謎の特別感がある。

nを増やしていくと
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何とも形容しがたい形ができた。
aは180°に近づくのに対してbは0°に近づいていくので、
針のようにどんどん尖っていくみたいだ。

ステップ3 角はわかった。では辺の長さは?

とりあえずn=5で考えてみる。

最初の多角形を5角形として、辺の長さを右下から順に
Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴとすると
新しくできる三角形の一辺の長さはⅤで角度はb、c、dなので
Ⅵ、Ⅶは正弦定理より、

\frac{V}{\sin b} = \frac{Ⅵ}{\sin d} = \frac{Ⅶ}{\sin c}

よって
Ⅵ = \frac{\sin d}{\sin b}Ⅴ

Ⅶ = \frac{\sin c}{\sin b}Ⅴ


その次はⅦとⅠを一辺として同様の作業を繰り返せばいいので
D = \frac{\sin d}{\sin b}

C = \frac{\sin c}{\sin b}
とおくと
Ⅷ = D(CⅤ+Ⅰ)

Ⅷ = C(DⅤ+Ⅰ)

最初の五角形に三角形を付け加えると新しく五角形ができる。
その五角形の辺の長さを短い順から並べていく。
Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ
Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、DⅤ、CV+I
Ⅲ、Ⅳ、DⅤ、D(CV+I)、C(CV+I)+Ⅱ
Ⅳ、DⅤ、D(CV+I)、D{C(CV+I)+Ⅱ}、C{C(CV+I)+Ⅱ}+Ⅲ

何となく規則性があるっぽいが、ずっと眺めているとおかしくなりそうだ。

n = 6 のときは、辺の長さをⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵとすると
Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵ
Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、DⅥ、CⅥ+Ⅰ
Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、DⅥ、D(CⅥ+Ⅰ)、C(CⅥ+Ⅰ)+Ⅱ
Ⅳ、Ⅴ、DⅥ、D(CⅥ+Ⅰ)、D{C(CⅥ+Ⅰ)+Ⅱ}、C{C(CⅥ+Ⅰ)+Ⅱ}+Ⅲ

n>6でも大体こんな感じかと思われる。

ここから数列を取り出せないかと考えたときにネックになるのがDの存在。
Dがなければ(つまりD=1ならば)、n=5のとき
Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、CV+I、C(CV+I)+Ⅱ、C{C(CⅥ+Ⅰ)+Ⅱ}+Ⅲ、、、
と続けることができる。

D = \frac{\sin d}{\sin b} なので

それができる条件はbとdが同じとき?

どうりで変な収束の仕方をするわけだ!
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ステップ4 大きく前進、でもまだ問題が。

今わかっている情報から試しにn=6のときを描いてみたい。
角度はa=135°、b=45°、c=90°
きりのいい角度なので方眼紙があれば、定規だけで描くことができる。
しかし

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何パターンもつくれてしまう。


どれが基本なんだ?
試しに、右下から順番に同じ長さで辺を描いていくと

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できない


つまり、4つ辺を描いた時点で残りの長さが決まる。
残りの2つの辺の長さを計算すると、

上で描いたものとは違って長い2辺の長さが等しくなって
その値は、2+\sqrt{2}

これが基本なのでは?
これでやっと数列を取り出すことができる。

1 , 1 , 1 , 1 , 2+\sqrt{2} , 2+\sqrt{2} ,
3+2\sqrt{2} , 5+3\sqrt{2} , 7+5\sqrt{2} , 11+7\sqrt{2} , 16+12\sqrt{2} , 26+17\sqrt{2}

7項目からは一つ前の項に \sqrt{2} をかけて6つ前の項を足すとできるようになっている。
漸化式で表すと

a_n = \sqrt{2}a_{n-1} + a_{n-6}

他のnでも考えてみると、下側に正多角形の半分があって、上に二等辺三角形がつく形になる。

正多角形の直径lは、一辺の長さを1とすると


l = {\frac {\sin (\frac {π}{2})}{sin(\frac {π}{n})}}

そこから正弦定理を使うと2辺の長さは

 {\frac {\sin (\frac {n-3}{2n-4}π)}{\sin (\frac {π}{2n-4}) \sin (\frac {π}{n-2})}}


よってここから取り出せる数列は

初項から第n-2項までは1が続いて

a_{n-1} , a_n {\frac {\sin (\frac {n-3}{2n-4}π)}{\sin (\frac {π}{2n-4}) \sin (\frac {π}{n-2} )}}

第N+1項は

a_{N+1}  =  \frac {\sin (\frac {n-4}{n-2}π)}{\sin (\frac {π}{n-2}) }a_{N} + a_{N-n+1}


つまり1つ前の項に定数C、b=dのときなので、
\frac {\sin (\frac {n-4}{n-2}π)}{\sin (\frac {π}{n-2}) } をかけてn個前の項を足すことで新しい項ができるということ。
実際n=5を代入するとパドヴァン数列ができる。

ちなみに5≦n≦10の定数をウルフラム先生に計算してもらった結果は以下の通り。

n \frac {\sin (\frac {n-4}{n-2}π)}{\sin (\frac {π}{n-2}) }
5 1
6 \sqrt{2}
7 \frac{1+\sqrt{5}}{2}
8 \sqrt{3}
9 1.8019377...
10 \sqrt{2+\sqrt{2}}

黄金比!お前こんなとこにまで出張してくるのか!
ちなみにこの定数は2に近づいていくみたいだ。


この数列はパドヴァン数列の一般化?発展形?と言えるかもしれない。
既出なのかは知識がないのでわからない。
もし、新発見なら名前とかつけていいだろうか。

ネットは主にネトラって名前でやってるからネトラ数列?
数学的になんかの役に立って、
論文なり本なりにのるようなものなら本名の方がいいのかもしれない。
ふぃっしゅ数のふぃっしゅさんはKindleで本を出したり
青土社の『現代思想

www.seidosha.co.jp

で取り上げられる時にふぃっしゅの部分を本名に変えようかとか悩まなかったんだろうか。



ステップ5 二つの漸化式

ちなみにもっちょさんの記事もあったがパドヴァン数列には

P_n = P_{n-1} + P_{n-5}

P_n = P_{n-2} + P_{n-3}

の2つの漸化式があったわけで、
ネトラ数列(仮)でも同じようにできないか考えてみた。
例によってパドヴァン数列について考えて、それをネトラ数列(仮)にあてはめてみることにする。

2つの漸化式の始めの方の項を変えて、「パドヴァン数列もどき」をつくる場合を考えてみる。

例えばa_1=1 、a_2=2、 a_3=3と決めればその次は
a_4=3 、a_5=5 、a_6=7..........

下の式では最初の3項を決めればあとの項が決まるが、上の式では5項まで決めなければあとの項が決まらない。

n-2個決まればあとが決まる。どこかで見た気がする。

もし、上の式の4、5項を適当に決めて図を描こうとしたらどうなるのか。

a_1=1 、a_2=2 、a_3=3 、a_4=1 、a_5=4

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うまくいかない。

もしかして
「ネトラ数列(仮)の2つの漸化式が同じ数列を生み出すこと」と
「平面をらせん状に敷き詰められる多角形と三角形の組みあわせがあること」は何か関係がある?

n=5のとき
辺の長さを右下から順にⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴとすると

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角度は決まっているので補助線を引くと

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なんとⅣ、Ⅴが決まってしまった!
しかも、このときのⅣ、Ⅴは漸化式P_n = P_{n-2} + P_{n-3}を満たしている。

n= 6のとき、もう一つの式はどうなるのか?
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よく見てみると

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Ⅴ = Ⅲ + \sqrt{2}Ⅱ + Ⅰ

Ⅵ = Ⅳ +\sqrt{2}Ⅲ +Ⅱ

どの形もこの条件を満たしている。

これ、
a_{N+4}  =  a_{N+2} + \sqrt{2}a_{N+1} + a_N

じゃね?美しい。
n>6についてもなんとなく

a_{N+n-2} = a_{N+n-4} +\frac{\sin (\frac {n-4}{n-2}π)}{\sin (\frac {π}{n-2}) }\displaystyle  \sum^{N+n-3}_{i = N+1} a_i +a_N


じゃないかという仮説を立ててPythonくんに計算してもらったところ、
nが小さいときは合うが、nが大きくなると誤差が出てくる。これは浮動小数点やら計算機のあれなのか、仮定が間違っているのかわからない、誰か考えてほしい。

あと、一般項?

{a_n = 〜}

みたいなやつも求めようとしたけど挫折したので、誰か(ry

ステップ6 蛇足

ここまで多角形と三角形から数列を取り出してみた。
他にもないか考えてみると例えば正三角形と台形だとできる。


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台形の上底と下底の比を一定にすれば、外側の正三角形の辺の長さが等比数列になる。

四角形だけで埋め尽くすことはもちろんできる。例えば黄金分割はフィボナッチ数列が取り出せるし、

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最初の正方形を長方形にして、長辺に正方形をひっつけていくと、フィボナッチ数列の最初の2項を変えた数列が取り出せる。

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あるいは長辺につける四角形を長方形にした場合、その長辺と短辺の比を一定にすれば、
例えば2:1にすると


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ペル数P_1=1、P_2=2、P_n=2P_{n-1} + P_{n-2}
ja.wikipedia.org
が取り出せる。



多角形と台形でもらせん状にしきつめることができる。


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けど数列を取り出す方法は思いつかない。
なんとなく、ベースはさっきやっていた多角形に三角形を重ねていく敷き詰めで、重ねていく三角形を途中で切ったのがこれって感じがする。




あと、ここまでの敷き詰めはユークリッド平面の話なわけで、
球面や双曲平面でのらせん状の敷き詰めを考えるとどうなるのか、などなど興味は尽きない。


最後に
ここまで読んでくれた読者の皆様にお願いをするのも心苦しいが

・このネトラ数列(仮)が既出なのかどうか。
・漸化式についての仮説は正しいのか。
・ネトラ数列(仮)の一般項はどうなるのか。
・ここまでの話で間違っているところはないか。

 上記のことをコメントなどで教えて頂けるとありがたい。